2006年12月24日

■死ぬまで終わらない予定の大聖堂建設、どうすんの?

Hand-built 'cathedral' headache for town
スペインからのニュース。マドリッド近郊のMEJORADAという町に、たった一人で生涯をかけて大聖堂を建設している人がいます。建築が始まって40年、作っているのはもう81歳になるというフスト・ガレゴさん。たった一人でもくもくと建設を続ける姿に心惹かれる人も多いのか、2005年にはコカ・コーラのCMに使われ、ニューヨークの近代美術館でも紹介されたとか。いろんな人を魅了するこの大聖堂、実は当の地元の人には困ったことになっている、というのがニュースなのですよ。
市当局の担当者曰く、「彼のことは誰でも好きです。けれども彼は別の世界に住んでいます。」
建物のドアにはこう書かれています。「この建物は私の頭の中全てです。私は建築士ではなく、建築のいかなるトレーニングをも受けていないことを認めます」そう。彼は全くの素人なのです。それはそれですごいことなのですが、要はそれで彼が死んでしまったらこれを一体どうすればいいのか、という問題。彼は近くの司教区に建物を進呈することを提案しているのですが...
再び市当局の担当者曰く、「それは毒入りプレゼントと呼ばれています。ここの司教区には受け入れのための知識も予算もなく、全国のカトリック教会への援助要請も無視されているのです。プロジェクト、建設許可証、点検、建築計画、どれも提出されてなくて明らかに建物は違法です。たくさんの法的手続きが必要なのです。」
彼はもともとトラピストの修道士になろうとして、結核で体を壊しリタイア。その後たった一人で聖堂を建てようと決心したのだとか。別なインタビューによると彼は、聖堂を建て終わるのが目的ではなく、作業自体が目的なのだ、そして死は恐れない、死は自分をこの作業から解放してくれるのだからとも言っているようです。んー求道者なんだねえ。しかし、この建設許可もない(構造計算などあるわけもない)聖堂、確かに残された側の気分は複雑だよね。
 
<ネタ元:Oddnews-AP

投稿者 ono takuya : 2006年12月24日 15:25 | トラックバック