2007年11月27日

■地下鉄のアナウンス嬢、冗談が通じずクビに

End of line for London Tube announcer after spoofs

 イギリスはロンドンからのニュース。地下鉄の構内で"Mind the Gap(電車とプラットホームの間の隙間にご注意ください)"や、"stand clear of the closing doors.(ドアから離れて立ってください)"などのアナウンスを担当している女性が、冗談で地下鉄の批判をしたらクビになるという事件がありました。この女性はエマ・クラークさん36歳。冗談を交えた「アメリカ人は話し声が大きすぎなので気をつけてください」や、「新聞を読むふりをして女性の胸を見ないでください」などの一風変わったアナウンスをする個性派アナウンスとして有名だったのですが、とある新聞の取材に「自分も乗っているけど地下鉄はひどいのでもう使わない」とコメントしたことが原因でクビになってしまったそうです。
 ロンドン地下鉄のスポークスマン曰く、「問題なのはパロディーのアナウンスではなく、むしろ自分のクライアントである地下鉄を批判したことです。それはとても愚かなことです。」ということで、会社側は冗談を交えたアナウンスはむしろ面白いが、地下鉄を批判したことが原因だと言っているのですね。当のエマさんのコメントは以下。
 「地下鉄を批判したのではありません、それは私の意図ではないのです。ほんのちょっとした笑いを取ろうとしただけ。」とのことですが...
 ちなみにエマさんは自身のサイトでその面白アナウンスを収録したmp3ファイルを公開しているのですが、現在はアクセスが集中しているようでちょっと確認できませんでした。ウィットの利いた名物アナウンスなんて最高に面白いと思うんだけど、いかんせんやりすぎたか...どうせ批判するなら新聞とかじゃなくアナウンスでやれば良かったのにね。”こんなクソひどい地下鉄にわざわざいらっしゃいました物好きなお客様、白線の内側までとっととお下がりください”みたいな?
参考:エマ・クラークさんのHP
※メディアによって微妙にニュアンスが違うのが気になったので、その辺を"続きを読む"に書きました。気にならない人は飛ばしてくださいませ。
<ネタ元:Offbeat-AFP


 というわけで、このニュースに関してはAP、ロイター、AFPなどで各々報じられているわけですが、AFPとAPでは「エマさんが新聞社に地下鉄の批判を話したこと」が解雇の原因であり、「ジョークを交えたアナウンス」はむしろ原因ではないとなっているのに対し、ロイターに掲載された記事では、”ちゃかしたメッセージ”のせいで解雇された、となっています。これじゃ全然意味が違ってくるよね。どちらかというと、ジョークアナウンスが解雇原因ではないというところで、そっちはOKなのかよ!と突っ込みを入れたかったのですが...
 ちなみに、ロイターを訳して紹介している世界びっくりニュース の記事では、エマさんがアナウンスをYoutubeに投稿していたとなってますが、原文のソース記事ではそんなこと一言も書いてありません。自身のサイトに音声ファイルを載せていると書いてあるだけ。地下鉄のTubeと混同しちゃってるんでしょうか?...と思ったら、もとになっているロイター日本語版のサイトの記事にも「動画サイト「ユーチューブ」に米観光客をからかう内容を含む映像を投稿したために...」っておいおい、本家が訳を間違ってどうすんだヨ!
 ...ま、わたしもちょくちょく訳を間違うので偉そうなことは言えませんな。今までにも何回か誤報(ガセネタ)を報じてしまったこともあるし、面白ニュースというのは面白半分に聞いておいて方がいいのかもしれません。

投稿者 ono takuya : 2007年11月27日 14:34 | トラックバック