4月

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アート「美術館で死にませんか?」

By ono   2008年4月24日


Dying to see Gregor Schneider’s latest work? Don’t worry – you could be in it

20080424.jpg これは芸術なのか見せ物なのか?ドイツからのニュース。ドイツ人アーティストのグレガー・シュナイダー氏が芸術としての「死」を提供してくれる人を探しており、これが騒動を引き起こしているそうです。
 どういうことかといいますと、ボランティアの人に死ぬ間際の数時間を美術館などのアートギャラリーで人々が鑑賞できる状態で過ごしてもらい、グレガーさんは人が死ぬその瞬間をアートとして「展示」したいというのですね。
 39歳のグレガーさんは死んだ女性の彫刻作品などで知られており、死をテーマにした作品を多く手がけているそうです。ただし、こうした試みには当然批判も多いようです。有名なギャラリーのオーナーであるベアトリクスさんは多くのギャラリー管理者を代弁してこうコメントしています。
 「死や誕生、生殖行為などの実存的な問題は、美術館の項目には入りません。芸術として描写することと、実際にそれを見せることとは明らかに違います。」また、ドイツ・ホスピス協会のユージンさんも「これは単なる覗きであって、死者をあざけるものです。」とコメント。
 逆にグレガーさんは、”死”は既に尊厳のないものになってしまっている、だから、これは死の美しさを取り戻すことがねらいなのだと主張していて、次のようにコメントしています。
 「アーティストは、人々が尊厳とともに死ぬことができる人道的な場所を造り出すことによって、この問題に貢献することができるのです。」

 うーん…。結局は見る人が芸術だと思えば芸術なんだろうし、見せ物だと思えばそうだという話なんだろうけどね。逆に言うと、芸術として「死」を展示したつもりでも、単に死体が見たいというフリークスばかりが集まってくる可能性もあるわけで。やっぱりベアトリクスさんが言うように、芸術として表現することとそれをまんま持ってきてみせるのとでは全然違うよね。表現者ならそれを自分で表現して欲しいな。他人の死をわざわざ持って来なくても。

<ネタ元:Times Online


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