Archive for the ‘映画レビュー’ Category

11月

23

いつも通りの作風でモヤモヤさせてくれるドゥニ監督、良いんですかこれで…「ブレードランナー2049」

By ono



 公開から結構時間が経ってしまいましたけど、観に行ってきました。「ブレードランナー2049」。今さら説明するまでもありませんが、1982年に公開されたSF映画「ブレードランナー」の続編になります。「ブレードランナー」の設定は2019年の未来でしたが、今度は2049。あれから30年が経過したことになっています。というか、最初のブレードランナーって2019年の設定だったんですね。あと2年で来てしまいますけど良いんでしょうかこれで。

ブレードランナー(2019)
 一作目の「ブレードランナー」で描かれている未来世界では、人類が既に宇宙に移住して惑星の開拓などを行っており、その労働力として人造人間「レプリカント」が製造され、従事しているのです。ただしレプリカントは製造後に数年経つと感情が芽生え、人間に対して反抗するため、4年の寿命が設定されています。また、人間社会にこっそりと紛れ込むレプリカントが出るため、「解任」と言って抹殺しなければならず、その任務を負った捜査官が「ブレードランナー」と呼ばれていました。

 説明が長くてごめんなさい。1作目の主人公はブレードランナーのデッカード(ハリソンフォード)なのですが、彼は任務を遂行した後、脱走した女性型レプリカントのレイチェルと共に二人で逃走して映画が終了します。二人の行く末が、実は「2049」の方でもストーリーの要になっているのです。

ブレードランナー2049のあらすじ
 2049年、最新型レプリカントの「K」はブレードランナーとして旧式レプリカントを探し出し「解任」する職務についていた。そんな中、レプリカントのサッパー・モートンを「解任」した際、庭に植えられた木の下に古い箱が埋まっているのを見つける。中には遺骨が入っており、女性型レプリカントのものであることが判明する。後日、この遺体を分析すると驚愕の事実が判明。Kの上司、ジョシは今回の事実公表によって人間社会が大混乱することを危惧、この女性型レプリカントに関係する全ての人間を調べ、あらゆる痕跡を抹消することを命令するのだったが・・・

2時間43分の尺
 映画の感想ってなると、一言目に来るのはやっぱり「長かったな・・・」でした。2時間半を超えて来るとちょっときついな、正直。それほど派手なアクションシーンが続くわけでもないし。映像表現そのものはどこを切り取っても確かに美しい。これはさすがドゥニ・ヴィルヌーヴ監督と言ったところ。だからブルーレイで出たらもう一度じっくり楽しみたいな、と思います。あまりはっきりと語らせず、モヤモヤしたまま進行するのもこの監督らしいといえばらしいんですけどね・・・

レプリカントと人工知能
 この映画の主人公はレプリカント。これははっきりと示されていて、かつそのことを周囲の人間も知っているようです。彼が住む自宅のドアにも「スキンジョブ(人間もどき)」といたずら書きされる始末。だけど彼は微塵も「人造」な挙動を感じさせません。何故なのかな。それだけ最新型のレプリカントはより人間と見紛うほど精細にできているのかな。彼は仕事以外ではあまり他人と関わりを持たず、自宅ではAIが作り出すホログラムの女性と暮らしています。この女性、劇中では途中からバージョンアップして、天井に取り付けられたレールの下以外の自由な場所に出現することが可能に。実体がないだけでどこへでも一緒に出かけられる恋人と化したのでした。で、この女性を演じているのがアナ・デ・アルマス。とにかく可愛くて、見ているこっちが好きになりそう。いや本当に。

 このホログラムの女性「ジョイ」なんだけど、「K」と完全に恋に落ちます。もちろん、そういうプログラムなのかもしれないけど、最後の方なんか、わざわざ街の娼婦を自宅に呼び、自分のホログラムを被せて「K」と擬似セックスをするまで行ってしまいます。ここまでくるともうプログラムとかの域を超えちゃってない?
 結果、AIもレプリカントも、ほとんど人間と変わらないなってことに。というよりはむしろ「人間が様々な姿になって出現している」ようにも見えます。だいたいウォレス社で試験的に生産した最新型レプリカントなんて、社長のウォレスがメスで切りつけたら血が飛び散ってるし。それもう人間じゃないの?で、その様子を後ろで見ている秘書のレプリカントはそれを見て涙流してるし。普通に人間じゃないの?地中から見つかった遺骨がレプリカントのものだっていうし、死んで骨だけ残るなんてもう完全に人間じゃないの?というかこれってクローン?レプリカントってクローンのことなの?そんなことを考え出すと映画の最中もやっぱりモヤモヤ。この辺の詳細についても明確には語られないのです。じれったいよドゥニ監督。そういう芸風なんだろうけど。

人間とそれ以外を隔てるものとは
 結局、レプリカントもAIも、様々な感情を持つことで人間と差異が無くなってくると、人間と「それ以外のもの」とを隔てる一線とは何なのか、という疑問が生まれます。感情を持つ「それ以外のもの」に魂はあるのか、という問題でもあるんですが、これもブレードランナー2049に置ける一つの大きなテーマ。生み出されたもの、創り出されたもの、有機と無機・・・映画の演出的には、敢えて二つの違いを見えづらくしたことで、それぞれの本質とは何なのかを浮き彫りにしたかったのかも知れませんね。

 前作の「ブレードランナー」は、「いつも暗くて雨」「人種の入り混じった汚い雑踏」「変なオリエンタル」という、今までにないハードな未来を描き、一つの未来のスタイルを作り上げました。ブレードランナーの世界観に影響を受けてる、もしくはパクっている作品を探し出したらキリがないほどです。そういう意味では一つの金字塔とも呼べる作品となった前作と比べてしまうと、今作はどうだったのか。もちろん、映像の美しさはちょっと他では見られないレベルですし、難解な部分も含めて、徐々に評価は変わって行くのかも知れません。一つ言えるのは、本作を見た人同士でおしゃべりしたら楽しいだろうな、ということ。わからないことが多いだけ、あれこれ想像、妄想する楽しみがあるのかも知れません。興味と時間と体力のある方は是非ご覧になってはいかがでしょうか。そんで、感想聞かせてください。

  

10月

23

いい感じにB級なノリが心地よい。「ドリーム・キャッチャー」

By ono



 ドリーム・キャッチャー
 月に一度くらいしか更新しないようなブログに存在価値はないと言っていいでしょうが、完全にやめたわけではない、という程度には続けていきたいと思います。どうもオノです。
 さて、今回ご紹介しますのは、かの有名なスティーブン・キング原作によります「ドリーム・キャッチャー」です。幼馴染だった4人の男が冬の山小屋で再開するんだけど、事態が急展開して、どんどん話が大ごとになっていく、という映画。ネタバレはしませんよ。2003年の作品です。

あらすじ
 メイン州の小さな町に住む4人の少年、ジョンジー、ヘンリー、ピート、ビーバーはある日、風変わりな少年ダディッツを助け、不思議な出来事に会う。ダディッツと4人は秘密を共有することで強い絆が結ばれるのだった。20年後、大人になった4人は仕事上ではさえない日々を送っていた。そんなある時、4人は北方の森にある狩猟小屋で再会を果たす。彼らにとって毎年恒例の楽しいイベントのはずだったが…。

 と、いう話。で、↑写真の少年が、4人が助けた少年ダディッツ。彼はとある素性から不思議な力を持っており、その力を少しだけ4人は分けてもらっているのです。ただ、大人になってからの4人は彼に会っていない。不思議な力を持っていても、仕事が全然うまくいかない4人は仲間の一人ジョンジーが事故にあったことをきっかけに恒例の狩猟小屋でのパーティーを開くのですね。

ドリームキャッチャーが護るもの
 いわゆるドリームキャッチャーとはアメリカ先住民族の装飾品で(↑写真の左上にも写っている)、ベッドの上にかけておくと、子供を悪夢から守ってくれると言われています。たぶん、不思議な少年ダディッツはドリームキャッチャーと意味的に繋がってくる存在でもあるのですね、きっとね。さて、4人は買い出しに出るものと狩に出るもので別れて行動することになるのですが、早くも小屋の周りにおかしな空気が。

話が強引に進みます
 動物たちの行動が何かただならぬ感じなのですね。そして、ヘリコプターが現れ、彼らに警告を与え・・・とどんどん話が不穏な方向に転がっていくのですが、ここから先はネタバレしません。一つ言えるのは、「あらすじを知らずに何も考えないで観ると楽しめる映画」です。男4人が集まって子供の頃の秘密を分かち合い、みたいな部分ではちょっと「スタンド・バイ・ミー」っぽい話なのかな、という気もしますし(実際そういうシーンもある)、閉ざされた山小屋で恐ろしいことが、っていうと「ミザリー」が連想されますし、とにかくこのお話、スティーブン・キングのいろんな要素がごった煮的に詰め込まれているのです。その上で予想のつかない展開を楽しむのがお作法かと。

変な期待はしない方が良い
 ↑振り向きざまに「なんなんだよお前は!」っていう。予告編を観ると極上なサスペンス・スリラーだろうな、と思うのですけど、全然違います。どちらかというとB級ノリですので、とにかく期待しないで観て、楽しみましょう。あと、微妙な役どころでモーガン・フリーマンが出てきます。相変わらず仕事選ばなさすぎです。良いのかそんなんで。

  

8月

12

気をつけろ、のんきに見てるとどん底に突き落とされるぞ!「マジカル・ガール」

By ono



「マジカル・ガール」
 7月から8月はイベントとか仕事が立て込んでるなあ・・・と思っていたらあっという間に8月になってしまっているよ!何これタイムスリップ?
 そんなわけでうっかり1か月以上もブログを更新していなかったオノですこんにちは。色々あってこんなです。さて、今回ご紹介するのは「マジカル・ガール」。日本のアニメのヒロインに憧れる病気の少女が主人公のような映画になっているため、多方面で話題となっていた映画ですが、なんていうか、黒ひげ危機一髪で適当に剣を差してたらものすごい勢いであらぬ方向に黒ひげが飛んで来てあまりのことにぽかんとする、みたいな映画でした。某漫画のコピー的に言うと「予想は裏切り、期待は裏切らない」映画です。

あらすじ
 日本のアニメ『魔法少女ユキコ』に憧れる少女アリシアは、白血病で余命幾許もない体。アリシアの父ルイスは、娘のノートに「ユキコのコスチュームを着て踊りたい」という願い事を盗み見る。だがコスチュームは高額な特注品であり、とても買ってやれない。思い詰めたルイスは宝飾店での強盗行為に走ろうとするが、その瞬間、彼の頭上から何か汚らしいものが降り掛かってくる・・・

 というお話。で、父ルイスの頭上にかかって来たもの、というのが宝石店の上の階に住んでいる女性、バルバラの吐瀉物だったのです。逃げ帰ろうとするルイスを追いかけて来て謝るバルバラ。2人は妙な絆を感じ仲良くなるのですけど、ここからはネタバレになるので言えない。一つ言えるのは、このバルバラ、後半は完全に主役を食う存在になっていきます。まあ、↑のポスターを見ると何となくわかると思いますけどね。

 額から血を流すバルバラ。一体何があったの!?
 というわけで、予備知識をいっさい入れないで観ると、あまりの衝撃的な展開に口が開きっぱなしになる映画です、良くも悪くも。Youtubeなどで予告編を見るとストーリーが8割ぐらいわかっちゃうのでお勧めしません。アメリみたいなオシャレ系のんき映画だと思っているとすごいしっぺ返しを食らいますが、このしっぺ返しがむしろ心地よかったりするので、ここは一つ騙されたと思ってぬるく見始めるのが吉です。

 ↑バルバラを助けたいとルイスのもとにやって来た刑務所帰りの元教師ダミアン(左)。そういえばこの映画、左右で向かい合う構図の多い映画かもです。あと、最初の方に後半の展開を暗示する(後で考えればだけど)シーンがあったりするので、もう一回見てみると「あっ、こんなところであれが!」という発見があったりします。もう一度見たいと思えるかどうかが問題ですけどね。
 そんな訳でなかなか衝撃的なこの映画、友人の女性に熱く語ってたら、「じゃあ、”女と男のいる舗道”も観てみてよ。きっと楽しめるから」って言われたので、この記事を書いたらiTunesのレンタルで観てみたいと思います。みなさんも興味を持ったら是非。

 でも、余命短い女の子が本当に心から願うものって、「もの」なんかじゃないんだよね・・・そういうすれ違いもせつない映画でした。オススメはあまりしないけど、観る価値は絶対にあると思う。じゃ、私はこれから例の「女と男のいる舗道」を観るとしますね。

  

6月

17

地球外生命体への探求は、結局心の探求だったのかも。映画「メッセージ」

By ono



メッセージ
5月19日に日本で封切りされてから一か月程。気になる方はもう観に行かれたでしょうか、「メッセージ」。先週やっと時間ができたので行ってきました。とにかく映像が美しいのが素晴らしかった。超巨大な物体(宇宙船)は予想以上にお菓子のばかうけそっくりでしたけど。
 ところで、この映画はSFの中でも「ファーストコンタクト」がテーマになっています。人類が体験する異星人や異種族との最初の接触のことを言うのですね。「ID4」や「宇宙戦争」なんかは接触も何もいきなり襲われて殺し殺されなアクション映画となってしまう訳ですが、最初の接触を丁寧に描いているのがファーストコンタクトもの映画。古くは「未知との遭遇」がそうでしたし、1997年の映画「コンタクト」なんかは今回の映画と非常に似たコンセプトではないでしょうか。

 ↑映画「コンタクト」から。アレシボ天文台で研究をしていたエリー(ジョディ・フォスター)はスポンサーの協力を得て超大型望遠鏡による新たな調査を行ったところ、こと座のベガから意味のある信号をキャッチ。メッセージを解読することで得た設計図に記されているのは人類をベガへと運ぶことのできる巨大な機械だというのですが・・・という話。あ、ここからコンタクトの方のネタバレをしますよ。
 最終的には、エリーが機械の2号機を使って挑戦したところ、ワームホールのようなものを経由して知的生命体との接触に成功した・・・ように思えたのですが、帰還してみると経過した時間はほぼ0秒、しかも録画していたはずのカメラには何も記録されておらず、エリーの証言は妄想だったと片付けられてしまうのでした。しかし、確かに録画はノイズしか残っていませんでしたが、カメラ自体は18時間回っていたことが判明。そしてその事実は封印されてしまうのでした。というラスト。

「メッセージ」のあらすじ(ネタバレ無し)
 さて、本題の「メッセージ」。ある日、世界各地に突如謎の巨大宇宙船が出現し、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)、数学者のイアン(ジェレミー・レナー)、アメリカ軍大佐のウェバー(フォレスト・ウィテカー)たちが調査を始めます。宇宙船には地上付近に定期的に開く入り口があり、中には地球外生命体がいて、ルイーズとイアンは様々な手段を用いながら少しずつ生命体とコミュニケーションを重ねていくのでした。事態の進展が遅いとやきもきするウェバーは2人に「彼らの目的を聞け」と指示します。しかしそこで示された回答の意味を巡り、世界は混乱に陥る・・・という話。

メッセージが人類へ伝えるものとは・・・?
 地球外生命体こと謎の宇宙人がいったいどこからやってきたのか、そしてその目的は何なのか、というのが徐々に、少しずつ明らかになっていく過程がストーリーの主な部分。しかし、映画の中ではそうした疑問の全てが解決する訳ではありません。また、ルイーズが生命体の言語について徐々に詳しくなっていくうちに、いつしか自分の考え方もその言語に影響を受けるようになります。その上で、最後に自分はどう生きるべきなのか?みたいな話が出てくるのです。つまりは、映画の原作小説のタイトル通り、テーマは「あなたの人生の物語」なのです。そういう意味では疑問点が100%解決されない展開にモヤモヤするのも確かですけれど、SFというジャンルにとどまらない、深い問いかけのようなものがあって、不思議な心地よさのある映画でした。個人的な感想ですけど。

真摯で、真面目で、そして美しい
 主演のエリーことエイミー・アダムス。よく見かけるお顔だなーと思っていたら、最近だと「アメリカン・ハッスル」、「her/世界でひとつの彼女」、「ビッグ・アイズ」などの他、「マン・オブ・スティール」のDCコミックシリーズではクラーク・ケントの恋人役等、今非常に旬な方ですね。一方の数学者イアン役のジェレミー・レナーはアベンジャーズ系列でホーク・アイをされていますね。あとは「アメリカン・ハッスル」でのアンジェロ市長、「ハート・ロッカー」では主役として命知らずの爆弾処理班班長を演じています。
 境遇やキャラクター等、エイミー・アダムスは「コンタクト」のジョディ・フォスターとイメージがかぶるような気がしました。良くも悪くも。
 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」的な痛快SFも良いけれど、こんな風に地球外生命体と自分たちのことを真剣に考える、ある意味とても地味でリアルな映画を大事にしたいですね。アメリカでシリアスなSF映画っていうとさ、だいたい宇宙とか火星とかに誰かが取り残されて、その人の帰還を世界中が待っているぜみたいな話ばっかな気がするんですけど、そのノリは個人的にはもういいかなーって。いや「オデッセイ」はとっても良い映画でしたけど。みなさんはいかがかしら。

  

6月

10

息が止まる程の緊張感!最高のエンタメ映画「イングロリアス・バスターズ」

By ono



イングロリアス・バスターズ
 週一くらいで色々と映画を観ている訳ですが、前回紹介した「アノマリサ」だとか、「さざなみ(今度紹介したい)」など、良い映画なんだけど観ていてちょっとモヤモヤするのが多かったのです。天気もスカッとしませんし。そんな中、緊張感からの爆発、久しぶりに心の底から楽しめた映画だったのでオススメ。例によってタランティーノ節全開の素敵映画、「イングロリアス・バスターズ」です。本当に気持ちの良い映画!

 ↑もうね、一番最初の尋問シーンから緊張感がハンパ無いのです。時代は第二次世界大戦末期。ナチス・ドイツの占領下にあるフランスへ、「ユダヤ人ハンター」で有名なランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ:写真右)が身を隠していると思われるユダヤ人一家を捜しにとある農場へとやってくるのですね。で、非常に上品で優雅な笑顔と物言い、これがまた緊張感を加速させるのです。動揺を気取られないようにしながらもなす術のない農家の主人ラパディット(写真左)とランダ大佐の図が↑なのです。冒頭から息が止まるかと思いましたよ。
 そうそう、あらすじです。

あらすじ
 1944年春、レイン米陸軍中尉はユダヤ系アメリカ人8名からなる秘密特殊部隊を組織していた。レインが部下に説明する任務とは、市民にまぎれて敵地奥深くに潜入し、ナチスを血祭りにあげること。そんな中、パリの映画館でプロパガンダ映画『国家の誇り』のプレミア上映会が開催されることに。ナチの高官が一堂に会するというこのイベントにかのヒトラー総統も出席するという情報が入り、にわかに水面下でとある作戦が発動する・・・

 で、ナチスを血祭りに上げる特殊部隊のリーダー、レイン中尉がブラッド・ピットなの。「ナチスの奴らの頭の皮を剥いでこい!」と檄を飛ばすレイン中尉の部隊はなんかろくでもないヤツばっかりで大丈夫かなって感じなんですけど、この頼りない感じがまた良い。レイン中尉のやり方がクズ過ぎるもんだから、ちょっぴりナチスの連中に同情しそうになったりね。ブラッド・ピットがやたら生き生きしてるのも良い。この人、「バーンアフターリーディング」とかでもそうだけど、2枚目主人公よりこういう役の方がはまるよね。「スナッチ」とかもそう。

 冒頭のシーンもそうなんですけど、バレるの?バレないの?それともすでにバレてるの?っていうサスペンスがあまりの緊張で観ている方もこわばってしまう、そんなシーンがとっても多い訳。例えばレイン中尉の特殊部隊がフランス内の酒場で内通者と落ち合おうとする場面があるんですけど、運悪くバーにはその日に限って子供が生まれたドイツ兵とそれ祝う仲間が集っているのです。ドイツ人将校のふりをしているレイン中尉の仲間は自分たちがアメリカ人だとバレないように必死に笑顔で応じるんですけど・・・ああハラハラするー!!
 ネタバレはしませんので、興味のある人は是非観てみてほしいなと思います。ちょっとエグい暴力的描写がありますが、基本的にはエンターテイメントに徹した作品なので、楽しんで観るのが吉です。8年も前の映画ですけど、公開当時観とくんだったな、と後悔しております。ほんとオススメ。そうそう、ショシャナ役のメラニー・ロラン様がとっても綺麗で素敵。映画館の女支配人エマニュエルという役所なんですが、ひょんなことから「プレミア上映会」にも関わっていくことになるのでした。なんだか観たことある顔だなーと思ったら、この映画の後に「複製された男(2013年)」に出演されてましたね。全くオススメできない映画ですけどね・・・

 


QLOOKアクセス解析