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家族のあり方に答えはあるのかしらね・・・?映画「ギフテッド」

By ono   2018年10月27日



7歳の子供に教わる「本当の幸せ」
 私には子供がいないので偉そうなことは何一つ言えないわけですけど、一つ感じるのは、子育てに真剣に向き合っている人は素晴らしいなということです。そんなわけで、「家族」、「愛」、「人生」、「自分らしさ」生きていく上でとっても大切な問題を素敵に描いた映画「ギフテッド」を紹介します。

あらすじ
 フロリダで、ボートの修理をして生計を立てている独り身のフランク(↑写真右)。彼は、天才数学者だったが志半ばで自殺してしまった姉の一人娘、メアリー(↑写真中央)と暮らしている。メアリーは先天的な数学の天才児“ギフテッド”であることが知れると、周りは特別な教育を受けるよう勧めるが、フランクは「メアリーを普通に育てる」という姉との約束を守っていた。ところが、レベルにふさわしい教育をするべきだ、というフランクの母イブリンが現れ、親権問題で訴えられてしまう・・・(20世紀フォックスHPから

 メアリーの神童っぷりはものすごくて、祖母のイブリンがマックブックをお土産に持ってきて、「中に本がたくさん入ってるわよ、チャールズ・ジマーの”代数学の発展”とか」って言うと、「ああ、あの本大好き、今は微分方程式の方が好きだけど」とか言ったりするのね。恐ろしい7歳だわよ。
 イブリンは自分の娘ダイアン(=メアリーの母親)に熱心に数学の教育を施して、「ナビエ–ストークス方程式の証明」とか言う誰もまだ解いていない問題を研究させていたのだけど、ダイアンは一人娘のメアリーを残して自殺してしまったの。イブリンはそれを自分が原因だとは思わず、今度は孫のメアリーに同じことをさせようとする。だけど、フランクは姉だったダイアンの「普通の子供に育てて欲しい」という願いのとおり、特別なことのない子供らしい子供にしてあげたいと思うわけ。
人類の進歩を担う子供?
 二人の意見はもちろん合わなくて、イブリンはフランクから親権を取り戻そうと裁判を起こします。そこで自分の娘だったダイアンについてこう陳述するのです。
「彼女(ダイアン)は普通の人とは違い特別なの。そう言う人は特別な問題を抱えてる。彼女の才能は想像を超える、10億人に一人よ。
 母と娘の関係を超えて責任を負った。世界を変える偉大な発見をする頭脳の持ち主はラジウムより希少。彼らなしでは進歩はないの」
 それに対し、フランクはこう言うのです。
「ダイアンはメアリーに子供でいて欲しかった。普通の人生を。友達をつくり、遊んで、幸せに」
家族の幸せとは?
 劇中のメアリーが持つ頭脳は”10億人に一人”と言われてますから、我々がそんな子を授かる可能性はほとんどないので心配する必要はなさそうです。だけど、日々育っていく子供に何を教え、どう導くのか、何がその子にとって一番の幸せなのか、悩まれる方は多いんじゃないでしょうか。一度しかない子供時代を勉強だけで浪費させてしまうのは悲しい気持ちもあるでしょうし、かと言って将来落ちこぼれにはなって欲しくない。結局は子供が大人になって振り返ってみるまで、それが正しかったのかどうかは誰にもわからないですよね。
 劇中のイブリンは自分の理想を無理やり子供に押し付けている、人間味の足りない人物に描かれていますけど、彼女だってこれほどの逸材の能力が発揮されないで終わってしまったら、人類にとって損失だ、と言う思いもきっとあると思うのです。変な使命感というか。それもまた一つの考え方ですよね。7歳の子供が自分で正しい将来を選べるわけではないでしょうし、その結果には誰も責任を持てないのですから。
 さて、結局メアリーがどうなってしまうのかは、映画でご覧いただければ。メアリー役のマッケナちゃんの演技が素晴らしくて、可愛くて、賢くて、本当に素敵な女の子を演じてくれています。メアリーが泣くと自分ももらい泣きをしてしまう程に。ある意味役者としてのマッケナちゃんこそが天才なんじゃないの。

 そんなわけで、映画「ギフテッド」の紹介でした。「天才児」というテーマと言われて思い浮かぶ映画といえば、「天才スピヴェット」、「リトル・ダンサー」かな。どっちも素晴らしい映画なので合わせてオススメしときます。

  


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