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おかしな教授たちが繰り広げる珍クライムコメディ…?「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」

By ono   2019年2月6日



 新年早々っていうかもう2月ですけど、最高に面白い映画を観てしまったな、と。イタリアのコメディ映画がこんなに奇天烈で破天荒で楽しくてカラフルだって知りませんでした。そして、能力のある学者が欧州危機の中で職を追われているという実情も(ほんのちょっとだけ)見えたりして興味深いです。というわけで、今日はイタリア発の大ヒットコメディ映画「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」を紹介します。

あらすじ
 大学を追われ職を失った神経生物学者ピエトロ・ズィンニ(↑写真右)は、仲間たちと合法ドラッグ製造で一儲けを企んだものの逮捕されてしまう。刑務所に収監されたピエトロは、新型ドラッグの蔓延に手を焼いていたパオラ・コレッティ警部(↑写真左)から取引を持ちかけられ、犯罪履歴の帳消しと引き換えに捜査に協力することに。かつて合法ドラッグを一緒に製造した仲間たちが再結集、新たなメンバーも加わり、事件解決に挑むのだが…。(映画.comから引用)

癖の強い俳優陣にハイスピードなイタリア語
 というわけでこの映画。主役の神経生物学者ズィンニを中心に7人の落ちこぼれ教授がいるわけですが、法の網に引っかからない合法的なドラッグ製造がバレて逮捕。で、今度は逆に市場に増えすぎてしまった合法ドラッグを片っ端から回収し、成分を解明するという警察の捜査に協力することになるのでした。
 なぜ世界的に高名な教授たちが合法ドラッグなんかに手を染めたかというと、前述の通り、欧州危機のせいで経済が悪化し、多くの研究者や教授たちが職を追われ、真っ当な仕事に就けずにいる、というイタリアの事情を反映しているわけなのです。映画を作るきっかけになったのも、「大学で首席だった学者がごみ収集員をしている」という新聞記事を監督が見かけたことから始まっているんだそうです。それはさておき、基本的にこの教授たちが変わり者ぞろい。専門分野には詳しい癖に、常識は皆無だし協調性はないし、とにかくベラベラよく喋る。そんな癖の強過ぎる教授が7人集まったらカオスです。しかも海外に流出してしまったという能力のある学者3人を各国から呼び戻し、インテリマフィアは総勢10人に。
 彼らがまくし立てるハイスピードなイタリア語がまた面白くて心地良いのですね。四六時中言い争っているので字幕を追うのが大変ですけど、これはこれですごく新鮮。あまり観ないイタリア映画ということもあり、俳優陣も知らない人ばかりでこれもまた新鮮です。

実はシリーズ3部作
 さてこの「10人の怒れる教授たち」、実は3部作シリーズの2作目なのです。ズィンニたちが合法ドラッグに手を染めて彼らが逮捕されるまでが1作目「いつでもやめられる 7人の危ない教授たち」で、3作目にはラストを飾る「いつでもやめられる 闘う名誉教授たち」が控えています。1作目が本国でヒットした後、2作目が日本でも注目を浴びたせいで、本作からしか観ていない私のような人も多いみたいです。どうりで前半部分の教授たちの紹介シーンがやけにあっさりしていると思いましたよ。なので、全員集合した時点で「あれ、この教授、何専門の人だっけ」みたいになりますが、みなさんキャラが強過ぎるので、気にしなくても大丈夫(笑)。
 というわけでこの作品、3作目へと続きます。ご丁寧にエンディングで3作目のダイジェスト映像をぶっこまれたら、観ないわけにはいきませんね。窮地に追い込まれてしまったズィンニたちはどうなってしまうのか?真の黒幕の正体は誰なのか?
 早速私も観てみようと思います。楽しみー♫

”定義が曖昧だな”
 本作品は上映に先駆けて一部のシーンが公開されました。彼らが突き止めたあるドラッグの取引場所となっている倉庫の前でのシーンなんですけどね、こんな感じなんです。
「あの中だ。行こう」
「行って何を?」
「これも仕事のうちだ。行って奴らを阻止するんだ」
「何を”阻止する”のか漠然としてるな」
「定義が曖昧だ」
「どこが曖昧だ!中に入って言うんだよ、・・・えーと・・・”動くな警察だ”、とかなんとか」
「イヤだね、右翼が好きそうなセリフだ」
「”いい加減にしろ”はどうかな」
「・・・それだけ?」
「毅然として”い い 加 減 に し ろ !”って」
「・・・今思い出したんだけど、車のドアをロックし忘れたかも」
「マジか?運転手のくせに!」
「私の荷物はどうなる?」
「いちいちモメるな!子供の遠足かよ!」
 ・・・とまあ終始こんな感じ。キテレツで愛すべきキャラクターが満載のこの映画、はまればきっと他のシリーズ作品も観たくなると思います。他のレビューを見ていると、人によっては「何が面白いのか全くわからない」と言う方もいるようですので、保証はしませんが・・・。
 思えば大学生の時にいろんな教授を見ましたけど、教授って、本当に変わった人たちばっかりなんですよね。浮世離れしてるって言うか、学問以外はまるでダメだったり・・・。そう言うある意味「人外」な人たちの活躍を楽しむのが醍醐味ですね!オススメです!

主役のズィンニ役の俳優さんエドアルド・レオも出演している「大人の事情」も下に紹介しときますね。こちらはイタリアのアカデミー賞といわれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞と脚本賞の2冠を受賞した作品。興味のある方は、是非。

  


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