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2019に観た映画から、面白かったものベスト5をご紹介しますよ。

By ono   2020年1月5日



■新作ではありませんけれども
 ほぼ一年ぶりの更新になっているオノですこんにちは。劇場やNetflix、DVD・ブルーレイなどを含め、2019年に観た映画は50本強くらいなんですけど、その中かから個人的にオススメしたい映画をご紹介します。基本的には旧作で、新作や以前に紹介した映画は含みません。何か引っかかる作品があれば参考にしていただければなーと。


1)オオカミは嘘をつく(2013年・イスラエル)
 サイコサスペンス?バイオレンス・スリラー?とにかく先の読めない展開と拷問シーンが凄まじい、イスラエルの映画。
 何がすごいって主要キャストは↑の男性4人。それぞれ暴走し過ぎて任務を外された刑事、疑いをかけられた容疑者、被害者の父親、父親の父親。なんせイスラエルの映画なもので、知らない俳優ばかり。そのせいもあってか全然ストーリーの転がり方が掴めないのね。挙句の果てには、全員悪者に見えてきたりして、完全にミスリードに乗せられてるなーと思いました。
 少女の暴行殺人を犯したのは本当にこの男なのか?あまりにも常軌を逸した感じの少女の父親は大丈夫なの?この刑事は本当に主役なの?ちょっと痛々しいシーンが多いですけど、「嘘をついているオオカミは誰なのか」楽しんで観れました。オススメです。

■あらすじ
 森の中で起こったある凄惨な少女暴行事件。刑事ミッキは捜査を進めていくうちに、最重要容疑者を特定する。それは一見温厚に見える宗教学の教師ドロールだった。ミッキは不法な取り調べを行い、その動画を偶然ネット上に流されたために捜査は中止に。しかしドロールの追跡をやめないミッキ。そこに割り込んできたのは、犠牲者である少女の父親ギディだった―。(Amazonから)

 続きは下からどうぞ。


2)スイス・アーミー・マン(2016年・アメリカ)
 ハリーポッターでおなじみのダニエル・ラドクリフが出演するというのでどんな役かと思いきや、まさかの死体役っていう衝撃。しかもこの死体、オナラの噴射で海上を突っ走ったり、口から水を吐き出したりして飲料水サーバーになるなど、とにかく万能。まさにスイス・アーミーナイフ。サンダンス映画祭で最優秀監督賞を受賞した他、数々の映画祭で話題をさらった、奇作でありながらも素晴らしきサバイバルアドベンチャー映画なのです。
 無人島にたどり着いてしまい、人生を悲観して自殺しようとした主人公ハンクの前に現れるのがこの死体(名前はメニー)。彼の不思議極まる能力を駆使し、ハンクは故郷へ帰ろうと冒険が始まるわけです。他にもメニーの能力としては「ポルノ雑誌を見て勃起したあそこが方位尺になる」だの、「後ろに手を引っ張って離すと強力なカッターになって行く手のブッシュを一刀両断」だの、わけのわからない機能がてんこ盛りなわけですが、この映画がすごいのは単なるシュールなコメディ映画にとどまらないというところ。
 冴えない人生を送ってきたハンクが自分の生き方を見つめなおしたり、もし本当に一緒に帰ることができたとしたらそこに居場所はないであろう死体のメニーとの難しい友情など、「ありのままの己を見つめ直す自分探しの旅」という側面があって、うっかり感動してしまったりするからタチが悪いのです。楽しくて、切なくて、ちょっとホロリとする素敵な映画でした。かなりの奇作ですけど。

■あらすじ
 無人島に流れ着いたハンクは絶望から自死しようとしていた。その矢先、彼は浜辺に打ち上げられていた死体を発見した。ハンクは人工呼吸による蘇生を試みたが、失敗に終わってしまった。その死体はガスで膨れ上がっており、水に浮いていた。しかも、ガスの排出によって、死体は沖合に出ようとしていた。死体に飛び乗ったハンクは、ジェットスキーの要領で死体に乗って沖合へと向かうが・・・(wikipediaから)


3)猿の惑星:創世記(2011年・アメリカ)
 昨年、休みの日に観た作品なのですが、あまりに続きが気になり、その日の内に続編の新世紀(ライジング)、聖戦(グレートウォー)まで一気に観てしまいました。けれども、新・猿の惑星三部作で一番オススメしたいのはやっぱりこの1作目、「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」です。
 新三部作は、1968年に公開されたSF映画の金字塔「猿の惑星」の前日譚を描いたものとなっています。とある製薬会社がアルツハイマーの画期的な治療薬を開発するのですが、実験台となったチンパンジーの知能が飛躍的に向上して・・・というお話です。子猿のシーザーと神経科学者であるウィルとの友情が感動的だし、知性を持ってしまった猿としての自分に悩むシーザーの演技(CGだけど)もグッとくるのです。
 人の知能に干渉する薬品製造の功罪や、知性を持ってしまった猿と人間の対立、ウイルスの蔓延で人類が絶滅するかもという不穏な空気など、ひょっとしたら起こりうるかもしれない未来を丁寧に描いていて、SF映画として本当に興味深い作品となっています。
 もちろんこの作品に続く「新世紀(ライジング)」、「聖戦(グレートウォー)」も面白いのですが、完全に猿VS人間の戦争映画になってしまっていて、ちょっとSF味が乏しいのよね。このお話が1968の「猿の惑星」に繋がっていくんだな、と思うとなかなかに感慨深いのですけど。

■あらすじ
 製薬会社ジェネシス社に勤める神経学者のウィルは、ウイルスを用いたアルツハイマー遺伝子治療薬ALZ112を開発し、実験台として雌チンパンジーのブライトアイズに投与する。劇的に知能を向上させたブライトアイズの成果からウィルは、更なる臨床試験の許可を得ようと幹部達を説得するが、その最中にブライトアイズは凶暴化し射殺されてしまう。研究が凍結されたウィルは、ブライトアイズが遺した雄の子猿を引き取り、シーザーと名付け育て始めるが・・・(wikipediaから)


4)シンクロナイズド・モンスター(2017年・カナダ・スペイン)
 最高にくだらなくて最高に面白い映画でした。アン・ハサウェイ演じるアルコール依存症のグロリアが近所の公園で暴れると、なぜか地球の反対側(韓国ですけど)に巨大な怪獣が現れ、グロリアの動きにシンクロする、という設定。
 よくこんなしょうもない話を考えたなと逆に感心してしまうのだけど、後半になると幼馴染の男にも同じような能力?があることが判明し、「付き合ってくれないと公園で暴れるぞ(=地球の反対側で怪獣が大災害を起こすぞ)」というはた迷惑も甚だしい壮大な痴話喧嘩が繰り広げられます。とりあえずアン・ハサウェイが可愛いのでそれだけでOKなんですけどね。
 巨大な怪獣が暴れまわるシーンはそれほど多くなく、怪獣映画として期待して観るのもダメですし、ポップな恋愛映画というには男がサイコ過ぎるし、オススメはするけど期待しないで観るのが正解、です。強いて言えば、職も彼氏も家も失った女性が自分を取り戻して自立していく物語が根本にはある・・・んじゃないかな・・・
 元々はこの怪獣、ゴジラを出演させる予定だったらしいのですが、東宝との交渉が難航し、日本の設定が韓国に変わり、モンスターもオリジナルのものになったのだとか。ゴジラだった場合の作品も観てみたかったですね!

■あらすじ
 グロリアは求職中のライターで、アルコール依存症に苦しむ患者。グロリアの暴挙が原因で、彼女は恋人のティムから別れを切り出され、同棲していたアパートから追い出される。ニューハンプシャー州の実家に帰ったグロリアは、子供時代の友人であったオスカーと再会し、彼が経営するバーで働き始める。閉店後、グロリアはオスカーたちと一緒に朝まで酒を飲むようになり、意識が朦朧としたまま帰宅するのだが、時を同じくして、ソウルに巨大怪獣が出現し暴れ回るという事件が発生する。(wikipediaから)


5)サマータイムマシン・ブルース(2005年・日本)
 暑い夏の部室に突然現れたタイムマシンを巡る騒動を描く、コメディ映画。なんの脈絡もなく出現したタイムマシンを前に、「これで昨日に戻れば、壊れる前のエアコンのリモコンを取り戻せて、涼しい部室が戻ってくる」という本当にちっちゃい理由でタイムトラベルに挑むSF研究部の部員たちなのですが、戻った過去でハチャメチャをやったせいで未来が変わってしまったために、何度も昨日と今日を行き来してどうにか辻褄を合わせようとするうちに話がどんどんややこしくなっていく、というストーリーです。
 出てくる登場人物全員が能天気で無責任というバカなノリが楽しくて、グイグイ話に引き込まれてしまいます。個々の役者さんもみんな個性が際立ちすぎていて、愛おしいったらないです。みんな勝手に行動しているために、過去に行ったら置き去りにされる人やらものすごく昔に飛ばされちゃう人、部室を共有していたせいで関係ないのに巻き込まれちゃうカメラクラブの女子たち、無くしたヴィダルサスーンにやたら固執する部員など、様々な人を巻き込みつつも、話はきちんと時間軸通りに進み、計算され尽くしたかのようにリモコンは無事戻ってくるのでした。
 元々「ヨーロッパ企画」の舞台として2001年に上演されていたものが本広監督によって2005年に映画化されたもので、そう言われれば終始テンションの高い雰囲気は舞台作品としての濃ゆい空気を感じさせてくれます。破天荒な大学生のバカっぽいノリがなんだか懐かしくて、観終わった後になぜだか爽やかな余韻を残す、素晴らしい作品でした。すごくおすすめ。

■あらすじ
 クーラーのリモコンが壊れてしまい猛暑の中ぐったりしてる「SF研究部」部員達の前に突然タイムマシンが出現する。昨日に戻り、クーラーのリモコンを取ってこようと思ったメンバー。しかし、タイムトラベルしたことが面白くなった面々はふざけたことばかりする。そんな中、過去を変えると今が消えてしまう可能性がある事を知り慌てた部員たちは、「今」を消さないために、大急ぎで自分たちがやらかした行動が致命的にならないよう、リカバリーしようと奮闘するが・・・(wikipediaから)

 以上でした。去年からNetflixに加入したんですけど、ネトフリオリジナルのSF映画が小規模だけど面白い作品が多くて楽しめました。人類が絶滅した未来でロボットが少女を育てる「アイ・アム・マザー」や、突如発生した謎のエリアに女性のみの舞台が決死の調査を敢行する「アナイアレイションー全滅領域ー」などです。
 今年も新旧、観た映画をぽちぽちと紹介していきますね。皆様のオススメ映画も是非教えてくださいませ。必ず観ます。

    


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