家族を見守るボール紙のパパ
■うちのパパはダンボール
そんな首相も昔いましたね。イギリスからのニュース。亡くなったお父さんの写真を切り抜き、等身大の紙に貼って家に置いている家族がいるそうですよ。
このお父さんは2歳の子供の父だったポール・チャリスさん。先日脳腫瘍のために38歳で亡くなりました。奥さんであるマリアさんと子どものジャック(7)とモリー(9)は悲しみにくれていましたが、彼らはやはり父のことが忘れられないと決心。ポールさんの等身大ポップを作ることにしたのです。彼は今も自宅で家族を見守りつつ、先日は友人の結婚式にも出席しました。
■愛する人の記憶をとどめておきたい
もともとこの等身大ポップは彼自身の葬儀の際に作ったものだったのですが、葬儀の後になっても捨てる気になれず、そのままポールさんの代わりに、と置いておくことにしたそうです。マリアさんはこう言っています。
「愛する人を失った時、その人の事を忘れてしまわないか心配になるでしょう?この写真は彼が生きていた時の貴重な思い出を記憶にとどめておくための、私たちのやり方なんです。子どもたちはクリスマスには彼にサンタの格好をさせたし、ハロウィンの日にはドラキュラの仮装までさせたんですよ。ポールは彼の亡くなった数週間後に、友人の結婚式に出席する予定でした。それはかないませんでしたが、彼の写真は参加することができました。彼がそこにいると思えて嬉しかったんです。」
ちょっと型破りな遺影だと思えば個人的にはそんなに違和感はないと思うのですが、やはりこのやり方に眉をひそめる人もいたようですね。
「一部の人は眉を吊り上げて怒るかもしれませんね。でも、その人の悲しみに対処する方法って、何が正しくて何が間違ってるなんて言える人はいないんじゃないでしょうか。彼は人生に対して強い情熱を持っていました。庭を愛し、バーベキューを愛し、子どもたちとバイクで出かけるのを楽しみにしていたんです。」
■ポールさん、自身の葬式も演出
マリアさんとポールさんは15年前にケントで出会い、2000年に結婚しました。彼らは夫婦で一緒にビジネスを始めたのですが、ポールさんは2008年頃から頭痛がひどくなり、薬なしではいられなくなったと言います。翌年脳に手術することのできない腫瘍が発見され、余命が数週間であると診断されました。
ポールさんは2009年の7月に息を引き取りました。彼の葬儀は自身の希望で白いキャンパーバンが用意され、教会ではクイーンの「アナザーワン・バイツ・ザ・ダスト(地獄へ道づれ)」やモンティ・パイソンの「Always Look On the Bright Side of Life(人生、明るい面だけ見ていこうぜ)」が演奏されました。最後まで茶目っ気のある方だったんですね。
愛する人を亡くしたとき、自分だったらどう思うだろう?その人は心のなかにいるのだから、ボール紙の本人なんか飾るのはおよしなさいと言うのは確かに常識的ではあるけれど、故人に対する向き合い方なんて誰が強制できるんだろう。でもボール紙でできたポールさんの写真は確実に色あせていくし、紙だってくたびれていってしまうだろう。むしろそっちの方が辛いんじゃないだろうかと余計なお世話の管理人。
<ネタ元:The Sun>
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