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偽のバス停で認知症患者を救う

By ono   2008年6月8日


Phony bus stops help dementia patients

20080608.jpg そんな効果もあったのかと思うドイツからのニュース。ドイツの放送局「ドイチェ・ヴェレ」の発表では、最近認知症の患者が持つ不安を和らげるために、偽のバス停を使うそうです。
 お年寄りの住むホームのスタッフによると、自分が約束の時間に遅れそうだと思っていたり、(もう亡くなっている)配偶者のための夕食を準備中にオーブンをつけっぱなしにしてきてしまったので家に帰らなければと思っていたりする認知症のお年寄りを安心させるために、偽のバス停を設置してそこへ連れて行くんだそうですよ。もう自分の家はないんですよと説明されるよりも、とりあえずバス停で待っていれば良いですよと言われた方がストレスがなくていいということなんだろうね。そのうちに忘れてしまうんだろうからね。
 ハンブルグにあるホーム、「Muehlenau Residence」のサビン・グリーンワルト氏はこういっています。
 「自分達がすべきだと思うことを実行しても良いという自由は、施設の患者にとってとても心が休まることなのです。」
 グリーンワルトさんは昨年の夏にその為のバス停を設置しました。それは昔の広告や時刻表が載っている古いバス停だったそうです。
 「私たちはバス停を1960年代風に見えるようデザインし直すつもりです。」とのこと。結構効果があるということなんでしょうね。
 ドイツ人のお年よりは出かけるならバスで、というのがデフォルトなんだろうな。ドイツに住んでいる方のブログ「フェリエンログ」を見ると、”時刻表も一応ありますが、遅れたり一本とばされたりというのは、日常茶飯事。それでも忍耐強いドイツ人は、あまり文句を言ったりしません。”と書いてあったりするので、意外と日本人と感覚が近いかも。日本でも試してみたらどうでしょうね?

参考:フェリエンログ

<ネタ元:UPI.com


One Response so far

ブログ「神北情報局」の記事、「偽薬高価だぞ」でこの記事が紹介されたのですが、私のコメントをよりよっぽど良いことが書いてあったので、少しだけ引用させてください。

この偽のバス停は、お年寄りにとって、本当の思い出の場所ではない。だが、本当の思い出の場所に繋がっていると確信する事で、とても安心出来る場所なのだろう。実際、本当に帰りたい場所は既に売り払われたりして残っていないのだから、そこへ行くバスが来るバス停というのは、ご老人にとって最も「我が家に近いところ」なのだろう。

本当にその通りだと思います。

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