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【朗報?】ドイツの高校で宿題が廃止に

By ono   2012年10月9日



■自由な時間を支配してはいけないので
 「宿題なんて無くなればいいのに。」子供の頃いつもそう考えていたわけですが、ドイツの高校が”生徒がくつろげるよう”宿題廃止を打ち出しており話題となっております。大賛成だね!
 今回の決定を下したのはノルトライン-ベストファーレンにあるエルザ・ブレントシュテルム高校(言いづらいよ!)。地元メディアによりますと、ドイツの高校制度が変更になり期間が1年間短くなったこと、そのために学校へ通う時間が過密になったことなどを受けての決定だとしています。
 エルザ・ブレントシュテルム高校の校長、ブリジット氏は地元メディアに対しこうコメントしています。
 「子供たちの自由な時間を、学業によって支配してしまってはいけないのです。」
 なるほど。ちなみに、期間が短くなった分学校へ行かなければならない日数は今までの倍近くに増えているのですが、ほとんどの両親はこれに賛成しているとのことです。また、学校側の担当者も
 「空いた時間は、スポーツをしたり楽器を学んだりするのに十分です。学校の拘束時間が長いのですから当然です。」と述べています。
 今回の「宿題禁止」は一応2年間継続して行い、その上でどれくらい効果的かを見て再度判断するそうですよ。

■実はドイツの学校はお休み天国だった
 …ところで。以前、ドイツの学校はやたら休みが多いという話を聞いたことがあるのですが、ググってみたところこんな記述が。

バイエルン州では、「クリスマス休暇」が12月24日から1月6日まで。2月のカーニバル期間に1週間ほど「カーニバル休暇」、3月ごろ2週間「イースター休暇」、5月ごろ2週間、「聖霊降臨祭休暇」、8月から9月中旬まで5週間「夏休み」、11月1日の万聖節をはさんで1週間、「秋休み」と言った具合に、いつも休暇ばかりと言った気がします。
世界丸ごと質問箱「◆世界の学校のお休みは?◆」より

 すごいな!毎月ゴールデンウィークがあるようなものだね!それだもの”1年削ってスケジュール詰めなさいよ”ってなるよねえ。なんだかちょっと気になったので世界の宿題事情をググってみました。お暇な方はご参考までにどうぞ。

■世界の宿題事情まとめ

フランスでは、公立学校で宿題が禁止されている。家庭の事情により、宿題を出来る者と出来ない者がいて、教育成果に不平等を招いてしまうからである。
楽なログ「フランスは宿題禁止」より
 …なるほど。さすが人権国家というべきか…私塾なんかはありなのかしら?

宿題は、親が手伝わないとどうにもこうにも終わらない。共働きが多いホノルルでは、こうして子供の学力の差が生じるのであろう。
地球で子育て!「宿題たっぷり、ハワイの教育」より
 すみません、私もハワイの学校なんてのんきなもんだろうと思い込んでいました。反省。小学校からものすごい量の宿題が出されるのだそうです。

(アメリカの学校の宿題は)基本的に日本よりも量が多いのではないかと思います。それは、日本のような塾に通うという習慣がここには無いからだと思います。塾は勉強が遅れてしまったお子さんが通うもの、という感じを受けます。
研究者の妻たちへ「アメリカの学校の宿題」より
 うーんなるほど。塾が一般的じゃないので宿題がそれを補っている、と。

全米各地の学区で、生徒の負担軽減を目的に、週末や休暇中の宿題廃止が検討されている。放課後も子どもが多くの時間を勉強に費やしているとの苦情が親から寄せられているほか、教師からも試験準備としての勉強が「学び」の機会を奪っていると懸念する声も聞かれている。
ロイター「全米各地で子どもの宿題軽減の動き、全廃の学校も」より
 あくまでも対象は”週末や休暇の宿題”ですね。なんとなく日本は宿題の多い国というイメージを持っていたんですが、世界的にはそうでもないような気がしてきましたよ。そうそう、前述の「世界丸ごと質問箱」には◆宿題について教えてください◆というそのものズバリな質問がありました。一部抜粋してみると…

ハンガリー:宿題はある。両親共働きの家庭が多いのでほとんどが放課後に学校で宿題をやる。学校が学童保育のような感じ。
イギリス:毎日のように宿題があった(高校)。夏休みはほとんど宿題がない(小学校)
ドイツ:週末および長期休暇中に宿題を出してはならないのです。休みは休むためにあるからです。
ベトナム:小学生低学年から宿題が毎日出る。成績が悪いと親が呼び出され、小学生でも落第がある。夏休みなどの宿題は、ほとんど出されない。
タイ:ほぼ毎日宿題が出る。4、5教科も重なると夜中までかかる事もある(中学生)。長期休暇には宿題はない。

世界丸ごと質問箱「◆宿題について教えてください◆」より

 「休みは休むためにある」っていう言葉にジーンと来ましたね!本当、その通りですよ!それと、宿題にかかる時間に関してベネッセのまとめた「世界の小学生の学習状況」という資料がありまして、それには主要都市の小学生が宿題にかける平均時間を紹介しています。これによると、大雑把ですが

北京の小学生:60分
ロンドンの小学生:47分
ワシントンDCの小学生:45分
ヘルシンキの小学生:44分
ソウルの小学生:40分
東京の小学生:33分

 ということで、日本の子供は意外と宿題が少ないんだなーという結果に。
 他にも「明光義塾:世界の学校」や「あの国の不思議on the Web第7回:特徴的な授業科目は?」なんかが面白かったです。
 ↑これによるとペルーでは言葉使い・制服・髪型などで校則がすごく厳しくて、遅刻すると親が呼び出されるんだって。なんだか日本みたいで面白いな。あと、中国の学校にはやっぱり「中国革命史」「社会主義建設」なんかの科目があるんだけど、学生がだれも真剣に聞いてないし教師もやりたがらないっていうのに笑った。時代なんですねー。

<ネタ元:upi.com


2 Responses so far

ドイツの高校は基本的に「エリート養成機関」であって, 日本でいうところの「高校」とは社会的な立ち位置が全く違うということは頭にないとダメでしょうね.

そしてもちろん (その上にある) 大学生は完全に「国家エリート予備軍」だったりする.

>taco様
上には書きませんでしたが、ドイツでは小学校でも成績が悪いと落第・留年があるそうですね。しかもその方が自分のためになるとして本人や親が希望する場合もあるとのこと。学校に対する考え方が根本的に違うんでしょうね、きっと。

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