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裁判官の「罰金が払えないんだったら、外で献血してこいよ」発言が問題に

By ono   2015年10月22日


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■献血か刑務所か
 社会貢献と考えればありだと思うんだけどな。とういわけでアメリカはアラバマ州からのニュース。罪に対する罰金を払うことができない犯罪者に対し、「献血をするか刑務所に入るか選べ」という判決を下した判事が訴えられているそうです。
 さて、この人は巡回裁判所の判事、マービン・ウィギンズさん。そして、彼のことを”倫理的に問題がある”として告訴したのが、SPLCこと「南部貧困法律センター」です。このSPLCの訴えによれば、マービン判事は9月17日こういう発言をしたそうです。
「あなたが罰金を払うことができなくて、それでも刑務所に入りたくないと言うなら、献血することを検討しなさい。そして、その際に発行されたレシートを私のところに持って来なさい。さもなければ、保安官が手錠をたくさん持ってあなたを待っていますよ。」

■人権を無視している
 マービン判事は、刑務所に入るくらいなら献血は安いものだと言っていますが、実際に罰金が割引されるわけではない、とSPLCは糾弾しています。本来は罰金を払うことができない人々に血を出せというのは彼らの権利を完全に無視している、ということだそうです。SLPCの弁護士、サラ氏は
「そもそも、罰金を払えない貧しい人を刑務所に入れるのは許されない。それはこれまでの判例から明白です。」と述べています。

 さて、そんな訳で「罰金が払えないなら献血してこいよ」発言がどうなるのか、今後の展開が注目されるところです。ちなみにSLPCこと「南部貧困法律センター」とは、人種差別に対する抗議運動と啓蒙活動をしている団体。ボランティアの無償労働なんかが犯罪に対する刑罰として課されることがありなら、献血で社会に貢献しろという命令もありなような気がしますが、人権的な問題からいくとそう簡単ではないのかもしれません。
 ちなみに判事の提案を受けて数名が実際に献血に行き、結果として刑務所入りは免れたそうなのですが、罰金そのものは減額されていないそうです。なんだよ、罰金がチャラになるんじゃないのかよ!

<ネタ元:Complaint: Alabama judge told defendants to give blood or go to jail


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