裁判で出廷を命じられたオウム
African grey parrot ordered to appear before court judge
証人というか証拠というか…アメリカからのニュース。オウムの飼い主をめぐって法廷で争いがあり、裁判所が当事者であるオウムに出廷を命じるという事件がありました。
オウムの種はアフリカン・グレイ・パロットという写真のような鳥です。事の起こりは52歳のアンジェラさんが、13年前から飼っていたオウム「テキーラ」を3年前に逃がしてしまったことに端を発しており、最近になって47歳のサリタ・ライテルさん宅でそのオウムを見つけたことから、そのオウムは自分の鳥だと主張したようなのです。ライテルさんがこのオウムを見つけたのはアンジェラさん宅からオウムが逃げたのとほぼ同じ時期だそうですが、彼女は「ラッキー」と名前をつけたこのオウムを引き渡すことを拒みました。
ちなみにアンジェラさん側の弁護士、スペンサー・シーゲル氏がオウムの出廷を提案。パームビーチ郡の判事ジェームス・マーツはどちらの女性がこの鳥を飼うべきなのか決めるためと了承し、彼は法廷へと連れてこられることになりました。スペンサー氏は、
「彼の爪には識別のためのリングがついています。その数字がアンジェラのものだということを証明するために必要だと感じています。」と述べました。
…で、この後どうなったかと言いますと、結局オウムは元の飼い主であるアンジェラさんの元へ「テキーラ」として戻ることとなりました。法廷での様子が報じられていないのでオウムが証言したのかどうかはわかりませんけどね。めでたしめでたし?
ちなみに、動物が法廷に連れてこられるというのは過去にもけっこうあったようで、以下に少し紹介してみたいと思います。お暇な方はぜひどうぞ!
参考:出廷を命じられた動物達
1)罰金刑の猿
1905年、アメリカインディアナ州。見物人の前で煙草をふかしたサーカスのサルが「公共の場で喫煙」した罪で裁判に呼ばれ、罰金刑を言い渡された。
2)追放を命じられたヒル
1451年、アメリカはローザンヌの教会裁判所。害を与えるとして連れてこられたヒルは罰として町からの追放を命じるという判決が下された。ヒル達は頑固に抵抗し、裁判所から追い払われたという。
3)不倫の罪で絞首刑
1662年、ニューヘブンのポッターという男が処刑された。理由は妻がいるのに飼っていた動物達とセックスをしたため。彼の処刑の前には共犯者?である愛人の乳牛一頭、雌牛2頭、羊3匹、ブタ2匹が同じく絞首刑に処せられた。ポッターは自分の番が来る頃には目にいっぱい涙を浮かべていたという。
4)窃盗をした猿
1962年パリ。マカオというオナガザルが、高価な装飾品を盗んだとして訴えられた。飼い主は装飾品の入っていた箱をマカオが開けられるはずがないと主張、マカオは出廷を命じられた。マカオは裁判官の前で手際よくいくつもの箱を開けてみせ、飼い主は損害の全ての責任を負わせられた。
5)宗教裁判に呼ばれたシロアリ
1700年代、ブラジル。フランチェスコ修道会の建物がシロアリに食い荒らされてしまったため、修道士が司教にシロアリの破門を願い出て宗教裁判が行われた。被告達は法廷に現れなかったが、代理としてシロアリの側につけられた弁護人は「神のすべての創造物には食べる権利がある」と主張。結局この言い分は認められ(!)、修道士達はシロアリに地所の一部を明け渡すよう判決が下された。判決はアリ塚に向かって大声で読み上げられた。
5つとも出典は『世界雑学大全』より。主に古い年代の事件が多いのですけど、どれも何ともアホらしいというか…脱力ものです。特に5番目。最後の蟻塚に判決を読み上げるシーンを想像すると吹いてしまいます。人間らしく扱ってると言えなくもないんだけど。法の裁きは誰にも平等なのかしら?
<ネタ元:news.com.au>
3 Responses so far
4月 10th, 2009
09:51
アリの弁護士!!裁判長も大変ですね・・・こういうのなら気楽に陪審員できそうですが。
4月 10th, 2009
15:47
>clydemender様
>こういうのなら気楽に陪審員できそう
ですよねー。こういう案件なら喜んで陪審員に参加するのですが…。
4月 13th, 2009
21:15
管理人です。
よくよく考えたら日本の場合は「陪審員」じゃなくて「裁判員制度」でしたね。つい間違ってしまいます。
Leave a comment