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山で遭難したキムさん、お金を燃やして暖をとる→生還

By ono   2012年1月19日



■遭難3日後、奇跡の生還
 生きるためなら多少のお金なんて、ね。というわけでアメリカからのニュース。冬山で遭難した男性が奇跡的に助かったのですが、遭難している間、暖をとるためにお金までも燃やしていたのだそうです。
 この男性はヤン・クン・キムさん66歳。タコマに住んでいます。彼が窮地に陥ったのはワシントン州にあるレーニア山。カフェラッテでおなじみのマウントレーニアですね。キムさんは先週の土曜日、登山クラブの仲間と16人でレーニア山に挑戦。しかし、自分だけが足を滑らし斜面を激しく滑落してしまいました。最初は仲間と無線で連絡を取っていたのですが、その後彼は再び滑落してしまい、グローブやスキーストック、無線までもをなくしてしまいます。連絡手段を失った彼は捜索隊が来るまで何とか持ちこたえようとあらゆる策を講じることにしたのでした。もともと韓国の軍隊でベトナム戦争を経験したこともあるというキムさん。そう簡単にはあきらめません。

■靴下に包装、最後はお金
 最初は体温を冷やさないようにとひたすら歩き続け、その次には大きい岩の近くにビバークすることに。ザックに入っていた暖かいお湯、お米、チョコレートバーなどを食べて飢えをしのぎます。それでも寒くて我慢できなくなったとき、キムさんは持っているものを燃やして暖をとることにしたのでした。ナイロンの靴下や装備品の包装など、そしてもちろん、なけなしのお札だって例外ではありません。
 「でもここは国立公園だからね。(火を焚いたりして)大丈夫か心配だったよ。だけど、自分も生きなくちゃいけないと思ったんでね。」とキムさん。紙幣が一番よく燃えたよといって笑いました。
 彼の子供、マルコム・アン氏はこうコメントしています。
 「彼は本当に死んでも不思議ではありませんでした。歩き回って自分の位置を見失っていましたし、どこに向かうべきかもわかっていなかったんです。」
 仲間たちが下山した後、直ちに捜索隊が編成されました。レンジャー部隊に公園管理官と救出犬、ボランティアなども加わった何十人もの捜索隊はキムさんを探しに入山します。連日の捜索の結果、今週の月曜になって彼は発見されました。最初に滑落した場所から1マイル(約1.6キロ)離れた場所にいたそうです。


 発見当時のキムさん

■山には登り続けるよ
 「父には断固たる決意がありました。」とアンさん。
 「父は以前から、神が生きなさいと諭してくれている間は死ぬことはない、とずっと言っていたんです。」
 キムさんは6年前に事業を引退した後ガンを患い、治療後の回復手段としてレーニア山に登り始めました。それはもうほとんど毎週のように行っていたといいます。
 「すばらしい眺めなんだ。同じ場所でも行く度に違う感覚を得られるんだよ。」
 これからも登るのかと聞かれると彼は「ああ、もちろんだよ。毎週土曜日には必ずね。」と答えましたが、ちょっと考えると最後に一言付け加えました。
 「でも、天気が悪い日には2度と行かないよ。」

 そんなわけでお金を燃やして暖をとったというキムさん。結果としてそれが生還につながったわけです。凍傷なども特になく、救出後はそのまま家族の元へと帰ったそうです。それでも登山はやめないという彼に家族はやきもきかもしれませんね。健康法もほどほどに、楽しい登山ライフを満喫してほしいものです。管理人も登山は好きですが、冬山はちょっとおっかないなあ。山スキーは魅力的なんだけどね…

<ネタ元:chron.com


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